2024年05月24日
アルコールと癌
飲酒の機会が増える時期ですが、飲酒は以下の癌の原因して報告されています。
(1)女性の乳癌:アジア以外では十分な根拠が示されており、エタノールで1日10g(日本酒換算0.5合)増加ごとに6%ずつリスクが増加。
(2)結腸・直腸癌:欧米人より日本人男性の方が飲酒による大腸癌リスクの上昇が大きく、日本酒1合以上2合未満で1.42倍に増加、日本酒換算1日1合増加ごとに約50%ずつ発癌リスクが増加します。
(3)肝臓癌:本邦の肝臓癌はC型とB型肝炎ウイルスにそれぞれ70%、15%起因するとされますが、アルコールも独立して発癌を促します。日本での報告では、週1回未満の機会飲酒者に比べると、男性では1日3合以上で1.66~1.76倍、女性では1合以上で3.60倍にリスクが増加するとされます。
(4)下咽頭・食道癌:飲酒・喫煙習慣のない人を基準に、1日1.5合以上の飲酒で8.2倍。
(5)小児の急性骨髄性白血病:妊婦の飲酒でリスクが増加。
最後に禁酒の影響ですが、禁酒後しばらくリスクは上昇し、リスクが下がり始めるのは食道で5~10年後、頭頸部では10~16年後からであり、その後もともと飲まない人と同じになります。