5月に富山の焼肉店でユッケなどを食して重篤な集団感染が発生した事は記憶に新しいところです。この集団食中毒は腸管出血性大腸菌O111やO157の感染により発症したものです。

これらの菌の特徴は腸の中でまず細菌が増殖し、次にその細菌がベロ毒素という毒をだすために溶血性尿毒症症候群などの非常に重い合併症を起こしてしまう事です。これを踏まえて政府の食品安全委委員会では「腸管出血性大腸菌による食中毒に関する情報」を出していますが、その中で消費者に対する注意として

1.牛肉やレバーなどの牛内臓を生で食べることはひかえること
2.腸管出血性大腸菌は摂氏75度で1分間以上の加熱で死滅するので、牛肉や牛内臓を調理する際には、中心部までよく加熱すること
3.特に乳幼児やお年寄りでは、死亡したり重い症状になることがあるので、生や加熱不十分な牛肉やレバーなどの牛内臓を食べないよう、周りの方も含め注意すること
を挙げています。

これから暑くなる時期を迎えて腸管出血性大腸菌以外にも黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌、腸炎ビブリオ、サルモネラなど細菌性食中毒が増加してきます。今までも何度かこのコラムで記していますが、細菌による食中毒を予防する三大原則といわれている
1.菌を付けない(包丁やまな板を清潔に)
2.菌を増やさない(迅速な調理、冷却、乾燥で細菌が増えにくい環境にする)
3.殺菌(加熱など)
も忘れない様にして下さい。