地球温暖化で気温が上昇していますが、役所等による啓蒙活動の効果か、スポーツにおける熱中症での死亡事故は少なくなってきています。一方で、東日本大震災後の対応として原子力発電所が全面停止となり、今夏もエアコンの使用を控えざるを得ず、熱中症の発生増加が心配されるところです。

平成22年度の厚生労働省による報告では、熱中症による全死亡者数の79.3%が65歳以上で、さらに同死亡者数のピークは75~89歳とより高齢者層にあります。

平成22年の調査によると独居高齢者は全国で約502万人と報告されています。高齢者は熱中症になり易い生理的特徴がある上に、発症の背景として独居生活で周りに気をつけてくれる人が居ないこと、自宅内発症が多いこと、エアコンが無いことなどが特徴とされています。

もともと熱中症の早期発見に特徴的な症状はなく、熱中症で死亡した人の3分の2は、殆ど何も自覚症状を訴えず、周囲の人も気がついた時には倒れていたということが多いと報告されています。つまり、早期発見で熱中症に対処するには無理があり、まず第1に予防(水分補給、室温摂氏28度・湿度60%以下など)することが大事ということになります。