帯状疱疹(たいじょう・ほうしん)と言う病気をご存知ですか？

これは水疱瘡(みず・ぼうそう)になったときに体に入った水痘ウィルスが神経に潜伏し、ストレスや心労、老齢、抗がん剤治療、日光等の刺激などによりヒトの免疫力が低下すると再度増殖し始める病気です。

神経に沿って帯状に赤い発疹と水ぶくれが出現し、疼痛を伴います。前兆としてだいたい1週間くらい前から違和感やぴりぴりした痛みを感じることもあります。水ぶくれは神経の走行に沿っておこるため左右どちらか半身にしか出ないことが特徴です。通常、皮膚症状が治まると痛みも消えますが、その後もピリピリとした痛みが継続することがあります。これを帯状疱疹後神経痛(たいじょう・ほうしん・ご・しんけいつう)と言い急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことで起きます。特に高齢者に起こりやすく長期間の治療が必要になる事があります。

発症する場所は胸から腰にかけてが多いようですが、全身どこにでも出てくる可能性があり、顔面に出てきたものは特に要注意です。顔面神経麻痺や難聴、めまいを起こす事があり、耳鼻科や皮膚科で入院治療が必要な事もあります。

帯状疱疹としては他人へうつる事はありませんが、水疱瘡にかかった事の無い子供には注意が必要です。妊婦への接触もさける様にして下さい。

治療は水疱瘡と同じ薬を使いますが治療開始が早い程治りは良くなります。大きな黒いかさぶたができますが最終的には比較的きれいに治癒します。痛みが残っている場合は痛み止めやビタミン剤を長期間服用することもあります。

予防方法は特にありませんが、大人になって水疱瘡のワクチンを接種する事が有効である、との報告もあります。全く原因の判らないぴりぴりした痛みを感じたら御注意下さい。