冬になり寒さが厳しくなってきます。自宅の居間では暖房を使う人が殆どだと思いますが風呂場の脱衣所やトイレは冷えすぎていないでしょうか。居間で暖まった体が寒い風呂場の脱衣所で急に冷やされ血管が縮み血圧が上がります。そのまま入浴する事で体が急に温まり血管が広がるため今度は血圧が下がります。この温度差による急激な血圧の変動による体のダメージをヒートショックと言って心筋梗塞や脳卒中の原因となることがあります。

入浴中に亡くなる人は年間14,000人程と推測されていますが冬場のヒートショックが多くの割合を占めている可能性があると言われています。これを防ぐには脱衣所を暖めること、ぬるめのお湯に入ること、早めの時間に入浴すること、半身浴にすることなどが効果的と思われます。

また冬場の早朝にトイレで脳卒中を起こすのもヒートショックが原因となります。暖かい蒲団から寒いトイレへ行くだけで血管が縮んで血圧が上昇し、そこでいきむ事が血圧をさらに上昇させるため脳卒中を起こす可能性が高くなるのです。高齢者では膀胱や前立腺の働きが悪くなり夜間の尿回数が増えるためより危険性が増してしまいます。これを防ぐ方法としてはトイレや便座を暖める事や寝室全体を暖め温度差を無くす事が考えられます。また排便の際に急激にいきむ事を避ける必要もあり普段から便秘を防いだり夜間頻尿の治療を行ったりしておくことも良いと考えます。

朝早くから起きてウォーキングなどを行う人も注意が必要です。冬場の5時から7時の日の出前は最も気温が下がる時間帯です。健康のための運動がヒートショックに繋がる可能性があります。生活のリズムを守る事は健康を維持する上で大事な事ですが少し日が昇ってからの活動をお勧めします。