2024年05月27日
運動習慣と糖尿病 (H11.9)
生活習慣病は食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣がその発症に影響し、それらへの適切な対応によって改善が期待される疾患です。平成9年の厚生省の調査では、わが国の糖尿病は690万人と報告されましたが、その発症には過食や運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣が大きく関係しています。
運動不足などの生活習慣がインシュリン非依存型糖尿病を発症させる鍵は肥満にあります。特に、過剰な内臓脂肪の蓄積による内臓脂肪型肥満がインシュリンの働きを悪くし、運動筋などの末梢組織で糖輸送能を低下させて、糖尿病を起こさせます。
運動療法の目的は運動で体重と内臓脂肪を減らし、インシュリンの働きや糖輸送能を改善して糖尿病を治療することです。
インシュリン非依存型糖尿病では、高血糖だけでなく高脂血症や高血圧などを併発していることが多く、運動療法で内臓脂肪量や体重が減少し、糖尿病のみならず、高脂血症や高血圧も改善し、脳・心血管障害をも予防して健康な老後を保証します。