2024年05月27日
皮膚の金属アレルギー (H9.12)
装飾品やピアス型イヤリングの流行とともに増加しております。ニッケル、クローム、コバルト、水銀、金などが代表的です。ある日から突然アレルギーになって、そのあとはアレルギーになった金属に触れるたびにカブレを起こすようになります。
ニッケルは十数人に一人という効率でアレルギーがあると言われております。硬い金属から溶け出すイオンが皮膚に触れるからで、汗をたくさんかく夏に多く発症します。イヤリング、ネックレス、腕時計、ペンダント、眼鏡フレーム、ベルトのバックルなどがありますが、普通はメッキ加工して使われています。
金は汗に溶けにくいため触れた皮膚にカブレを起こすことはありません。しかしピアスは別で、皮膚の深いところでアレルギー反応を起こすため、大きくはれたあとにコブを作ることが多く美容的にも問題になります。
クロームやコバルトは意外なところに使われていて金属カブレを起こします。革手袋や革靴、ハンドバッグ、時計の革バンドなどによるカブレの多くはクロームによる金属カブレです。皮革製品は製造過程でクロームを使うことが多いので、それらが残留していて後にしみ出てくるためです。セメントにはクロームやコバルトが、粘土や青色染料、洗剤などにはコバルトが含まれることがあり、これらを扱って作業をする人の職業病の原因になることがあります。
アレルギーの程度が強くなると、接触した部分がカブレるばかりでなく、食事をしたとき食品中に含まれる微量の金属にも反応し、全身に湿疹が出来ることもあります。一度アレルギーになるとなかなか治りません。身につけるものにはアレルギーを起こしにくい材質を選ぶ注意が必要です。