年齢を重ねるにつれ夜間睡眠中に何度もトイレに行きたくなってしまう夜間頻尿を訴えるひとが増えてきます。大きく分けて「夜間多尿」「膀胱容量の減少」「睡眠障害」の3つがその原因と考えられます。

夜間の尿量が一日総量の1/3以上になると「夜間多尿」とされます。病気ではなく、夕方以降に水分をとり過ぎるために起こることがあります。血液がサラサラになり脳梗塞や心筋梗塞の予防になると信じて、寝る前に水分をたくさんとる人がいますが、科学的根拠は無いのでほどほどにしましょう。特に冬は汗による水分の発散が少ないので要注意です。「膀胱容量の減少」は、膀胱に少量の尿しか貯められなくなるもので、過活動膀胱、前立腺炎、膀胱炎などで膀胱が過敏になるために起こります。「睡眠障害」は眠りが浅いため、目が覚めてその度に気になってトイレに行きたくなります。まず最初の対策は夕方以降水分をとりすぎない、よく眠れるように環境を整える、ということが必要です。

男性の場合は前立腺肥大を注意する事が必要で、夜間頻尿とともに一回尿量の減少、残尿感、尿の出に勢いがなくなった、などを訴えるひとが多くいます。女性の場合は慢性膀胱炎や子宮筋腫などの婦人科疾患も考慮する必要があります。何れにしても診断には、昼間にも頻尿があるのか、排尿痛を伴うのか、残尿感があるのか、などの症状の有無が大事になります。

寒い時期になると夜間に何度もトイレに行く事は嫌なことですし「ヒートショック」にもつながります。高血圧、心臓病などを指摘されているひとは特に注意が必要です。