妊娠と喫煙 赤ちゃんには大問題 (H12.7)
若い女性の喫煙が増えています。胎児や赤ちゃんには大問題です。入ってくる一酸化炭素とニコチンは、それぞれ低酸素と血管を収縮させる作用があるため、妊娠中の喫煙や受動(間接)喫煙は、胎児に苦しみを与えることになります。実際、苦しむ姿が超音波で分かることがあります。喫煙妊婦には胎盤剥離や出血・早期破水などの妊娠合併症の増加が見られ、周産期死亡率は1.3倍、流産は1.5倍以上、早産は3~7倍、低出生体重児の発生は約2倍と異常です。11歳に於いてもこれらの低体重・低身長の影響がでます。唇・口蓋裂や心血管系の先天異常との関連も示唆されております。
授乳婦が喫煙すると乳汁中にニコチンが移行され、新生児ニコチン中毒を引き起こした例もあります。やがて、子どもに永年の受動喫煙を強いることになり、中耳炎や喘息などの引き金になったり、将来の喫煙者を生み、肺がんその他の危険度を高めていきます。
そのほか、たばこの誤飲も誤飲事故の6割を占め幼児に災難を与えます。喫煙女性は男性より肺がんになりやすく、子宮がん、卵巣がんの危険率も高くなります。不妊症、早期閉経、肌の老化が早くなるなどの悪影響もあります。乳腺の発達段階での喫煙も将来の乳がんを呼ぶことにもなります。
新聞によると妊娠前の喫煙者は約22%、うち4割は喫煙を継続するようです。脳の発達にも影響し、若干知能指数が低下するという報告があり、成人後の常習的犯罪や暴力犯罪とも関係し、息子の犯罪予測因子とまで言われております。幼児が親の煙を吸いながら成長すると、微量の鉛やダイオキシンが脳に入り、読解力や計算力が劣ったり、認知障害等をもたらします。これは児童虐待です。
悪いと解っていても、また、やめたいと思ってもやめられないのは、依存症・習慣性をもたらすニコチンがあるからです。特に若年者や女性の喫煙者は簡単にはやめられなくなります。最初から吸わない事です!