2024年05月27日
帯状疱疹 (H21.7)
帯状疱疹という病気をご存知でしょうか。典型的な例は胸部や腹部の片側に赤い発疹が帯状に現れピリピリとした痛みを感じます。進行すると水泡ができその後黒いかさぶたを形成します。
原因は子供の頃にかかった水ぼうそう(水痘)のウィルスが神経の中に残り、それが再び活動する事によって起こります。顔の三叉神経(さんさしんけい)や四肢も好発部位ですが基本的には神経が通っている皮膚ならどこにでも発症する可能性があります。
治療はウィルスに対して抗ウィルス剤、痛みに対して消炎鎮痛剤を投与することが有効です。皮膚自体は比較的きれいになりますがウィルスによって神経が破壊されるための神経痛が残る事があります。これを帯状疱疹後神経痛と言い何年も苦しむひともます。治療が遅れるほど神経の破壊が進むため痛みが強く残る傾向があり、できるだけ初期の段階で治療を開始する事が重要です。虫さされや植物のかぶれなどと勘違いして病院にかかるのが遅れる人が多くみられ、小さな発疹でも痛みを感じる際には病院を受診する事を勧めます。
完全に帯状疱疹を予防する方法はありませんが、病気などで抵抗力が弱くなったときや疲れたとき、あるいは歳をとったことにより再び活動を始めることがあります。日ごろから栄養と睡眠を充分にとり、適度に運動を行うなど、心身の健康に気を配り体力を低下させないことが最も大切です。