2024年05月25日
ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎について
(医)胃腸科内科 松村クリニック
松村 恭司
ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎はヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染で発症する慢性胃炎で、鳥肌胃炎、皺壁肥大型胃炎、萎縮性胃炎の3つに分類されていますが、胃癌の原因であることが確定しています。
胃内視鏡検査(胃カメラ)を受ければヘリコバクター・ピロリ感染があるかが推定でき、尿素呼気試験(UBT)等の感染診断で陽性であれば、保険診療として除菌治療を受けることができます。除菌治療は一次除菌治療のみで85%前後、二次除菌治療まで行うと98%程度の除菌率を得ることができます。副作用は軟便・下痢、味覚異常、発疹、肝機能異常等です。
またヘリコバクター・ピロリ感染は胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病の原因でもあり、除菌治療によってそれらの疾患の治癒が期待できます
胃癌の早期発見と予防のために、胃内視鏡検査(胃カメラ)を積極的に受け、除菌治療を受けられることをおすすめします。