2024年05月25日
統合失調症の基本症状 (R2.4)
統合失調症という病名はよく知られていますが、その本質については一般にはあまり知られていません。
そこで、ブロイラー,E.(スイスの精神科医)が唱えた4つの基本症状について説明していきます。
(1)連合弛緩:考える一つ一つの要素の繋がりがゆるくなり、まとまりが悪くなります。ひどくなると支離滅裂となってしまいます。
(2)感情障害:その場の状況に応じた適切な感情が表出されにくくなります。例えば、おかしくないときに笑いだしたり、豊かな感情が表出されないと、無表情になったり表情が硬くなることがあります。
(3)両 価 性:一つのことに対して相反する意志、感情、行動がほぼ同時にみられる場合です。例えば、食事を摂ろうとすると同時に摂るまいとすることがあったり、夫が妻を愛しながら憎む、等といったことです。
(4)自 閉:外界に対する現実的意味を失い、自分だけの空想の世界に生きることとなり、周囲の世界との生き生きとした接触性が失われていきます。
これらの4つの症状は軽症例や回復期にはあまり認められなくなります。また、幻覚や妄想の存在が診断の際には重要になってくることは言うまでもありません。
統合失調症の重要な4つの基本症状について記しました。