2024年05月25日
緑内障について (R2.11)
緑内障とは、何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因の一つと言われています。治療せずに放っておくと失明につながることがあり、実際に、日本人の失明原因の1位は緑内障です。40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障とされていますが、なんと9割の方が気づいていないと考えられています。
緑内障は、初期にはほとんど自覚症状がありませんので、早期発見には検査しかありません。必ず行う検査としては、視力、眼圧、眼底検査がありますが、近年は、視神経の状態を調べるOCT(光干渉断層計)検査も普及してきており、視野がまだ欠けていないごく早期の緑内障も見つけることができるようになりました。
患者さんの中には、緑内障=失明と思われる方がいらっしゃいますが、実際は決してそんなことはありません。ほとんどの方は、点眼薬で眼圧を十分に下げることで進行をくいとめることが可能です。緑内障で失われてしまった視野は、現在の医学では回復できません。しかし逆に言えば、自覚症状のないうちに早期発見し、治療により進行を抑えれば、日常生活に不自由を感じることなく生活できるのです。
緑内障は進行してはじめて気づくことが多い病気です。40歳を過ぎたら定期的に眼科の検診を受けることをお勧めします。