2024年05月24日
食生活と生活習慣病(その2) (H21.10)
今回は長寿食についてお話します。
健康で長生きするためには、主に血管の病気(脳梗塞、脳出血、狭心症、心筋梗塞など)を予防することになりますが、これは、日常の食生活を改善することにより可能となります。
(1)食塩…食塩の摂取量が多いと加齢とともに細胞内にナトリウム(Na)と水が貯留し、細胞の膨化・血管壁の肥厚が起こり、最終的に高血圧が起こります。同時にリンパ液の量も増えるため、腸管からコレステロールや脂肪が吸収され易くなり、動脈硬化や肥満の原因になります。
(2)カリウム(K)…K摂取量が多いほどNaが腎臓から排出され、高血圧や脳卒中の予防につながります。食物繊維も腸管からのNa吸収を抑えるので、Kや食物繊維の多い野菜や果物は積極的に摂る(但し、腎臓病、糖尿病では避けるべき)ことが望まれます。
(3)コレステロール…血清コレステロール値が高いと心筋梗塞の死亡率が増えます。
(4)酸化ストレス…血管の老化を促進する活性酸素を消去する、抗酸化栄養素を十分に摂ることが望まれます。
(5)大豆たん白…大豆たん白は血管壁を丈夫にし、Naを尿中に排出して高血圧も予防します。さらに、胆汁となったコレステロールを腸管内で吸着して便として排出するため、LDL-コレステロールをより一層下げます。
(6)DHA…心筋梗塞や脳梗塞の予防に有効で、青背の魚に多く含まれます。
以上のように、魚介類と大豆の摂取が多いことが日本人の長寿を支えていると推測されています。