2024年05月24日
心臓と血管
全身の血管の総延長は、赤血球がやっと通れる程の細い毛細血管まで入れると約10万kmにもなります。これは地球を2週半するほどの距離です。血管の中には血液が流れていますが、血液は体重の13分の1(6~8%)ほどで体重60kgの人では5L(リットル)程度になります。全ての血液は心臓から出て心臓に戻りますので、心臓は一分間に5Lの血液を送り出す永久ポンプであると言えます。心臓によって送り出された血液は体中の細胞へ栄養と酸素を届け、戻る時には細胞の出す二酸化炭素や老廃物などを受け取って心臓に戻り、その時間は30秒程です。
手首で脈を取ったことがありますか?この脈は手首の動脈の拍動で心臓の動きが直接伝わっています。胸がドキドキした時に心臓の不整脈かどうかは脈のリズムで判断できます。心臓へ血液が戻るための通路になる静脈では、内臓の毛細血管を通ったあとのため、心臓の動きが直接伝わっておらず拍動はありません。このため静脈では通常急に圧力が上昇することはなく、動脈よりも薄く柔らかい構造となっています。
体内で一番太い血管は大動脈で、心臓から直接出て胸部大動脈、腹部大動脈と続きます。その太さは3cm程で頭、腕、内臓、足などの全身へと血管を分岐していきます。大動脈は内膜、中膜、外膜の3層からなり弾力と強度が保たれています。動脈は水撒きのときのホースに造りも病気も良く似ていて裂けたり詰まったりが問題になります。高血圧では常に血管に圧力がかかり血管壁の劣化が早くなり裂けやすくなります。高脂血症、糖尿病などでは血管の壁がでこぼこになったり、血液の粘稠度が上がったりして血管が詰まりやすくなります。適度な圧力でさらさらの血液を常に流してやる事が大切です