健診の採血で血清脂質という項目があります。脂質には幾つかの種類がありますが一般的にはLDLコレステロル、HDLコレステロール、中性脂肪、総コレステロールが問題になります。今回はこの中でLDLコレステロール、HDLコレステロールを説明します。

LDLコレステロールは、血管などにコレステロールを蓄積させ動脈硬化を引き起こす危険因子となることから「悪玉コレステロール」と呼ばれ、HDLコレステロールは、血液中の余分なコレステロールを取り除く役目を果すことから「善玉コレステロール」と呼ばれています。HDLの数値が高ければ動脈硬化を抑えることができますが、数値が低いと、動脈硬化を起こしやすくなってしまいます。

LDLコレステロールの正常値は140mg/dl未満ですが120~139mg/dlは境界域として治療対象になります。HDLコレステロールの正常値は40mg/dl以上とされています。LDLとHDLの比率「LH比」も治療の目安となり2.0以下が正常で理想値は1.5以下とされています。

HDLコレステロールを増やすポイントは、禁煙、運動、脂肪分の少ない食事です。HDLは喫煙で減ってしまいます。適度な運動は、中性脂肪を減らしHDLを増やしてくれます。食生活では、食べ過ぎに注意し、バターや卵・肉は控えめにして、野菜やきのこ、海藻などをとりましょう。