ノロウイルスは食中毒や感染性胃腸炎の原因となるウイルスです。

これらの病気は1年を通して発生しますが、食中毒は1~2月に、胃腸炎は12月に多数発生しています。

ほとんどが経口で感染し、次のような感染様式が考えられています。
(1)患者の便や吐物から人の手などを介して二次感染する、
(2)家庭や共同生活施設などで人から人へ直接感染する、
(3)食品取扱者が感染して、その人を介して汚染した食品を食べる、
(4)汚染されていた二枚貝を生あるいは十分に加熱(中心温度摂氏85度以上で1分間以上)調理しないで食べる、
(5)汚染された井戸水や簡易水道水を消毒不十分で摂取する。

潜伏期間は24~48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などで、発熱は軽度です。通常はこれらが1~2日続き、治癒します。ただし、体力の弱い乳幼児や高齢者では、脱水症状を起こすことがあります。

このウイルスに効果のある抗ウイルス薬はなく、感染の予防が大切になります。予防の基本は手洗いですが、調理をする前、食事の前、トイレへ行った後、下痢の人の汚物処理やオムツ交換の後(たとえ手袋をしていても)、には必ず行いましょう。