今年もインフルエンザ(以下、フル)流行の時期がやってきました。昨シーズンはA型が約80%、B型が20%弱で、3年連続で成人、高齢者の患者割合が増えました。

フルの症状は発症当初の高熱が特徴ですが、B型では発熱が長引き易く、72時間以上持続、または一旦24時間以上37.5℃未満に解熱後に再発熱する例が約30%と、A型の5倍に認められました。また、18歳以下では、今も未解明の「異常言動」が13.0%の例に認められ、その42.1%が無治療または治療前に発現しているため、抗フル薬の影響よりフルそのものに起因する可能性が示唆されています。

現在使用できる4つの抗フル薬は、何れも人の細胞内で増殖したウイルスが細胞から遊離するのを阻害します。昨シーズンの報告では、抗フル薬4剤何れかを投与後の平均解熱時間は、A型で23~28時間と差がありませんでしたが、B型では32~47時間と若干異なる可能性がありました。その他、家族内で最初に乳幼児がフルに罹った後に他の家族に感染する率は12.7%で、初発が学童である場合の7.8%より高いのですが、原因として乳幼児では治療効果が低いこと、隔離の難しさ等が挙げられます。