小児の体温は健康状態を知る最も身近なバロメーターの一つです。正常体温というと体温計や温度表に記されている赤マークを考えがちですが、健康な大人でも37.0℃以上あることがあります。発育盛りの小児では大人と違い一定しません。一日のうちでも時刻によって変わり、測る部位、年齢、体質などによっても微妙に変動するので、37.0℃以下とは限りません。37.0℃の0.5℃前後とみればいいでしょう。

 最近では音ですぐわかる、また破損が少ないということで、電子体温計が普及しております。注意しなければならないのは、感温部(正確に温度を感じる部分)が狭いので、腋(わき)の下という広い部位では、測るたびに数値が違うことがあります。正しく測るには腋のくぼんだところに感温部を確実に入れます。正しく挿入されると体温計は自然にななめ下向きになります。測定時間は一分計、三分計に関係なく、腋の下の温まり具合からみて、五~十分間は必要です。

 熱が出たら水分を多めにとらせ、38.0℃以下なら頭を冷やして様子を見、高熱が続き元気がないなどで心配な時は医師の診察を受けましょう。