夏季はイネ科の花粉でアレルギー性鼻炎(以下、鼻炎)症状の出る人も少なくないと思いますが、鼻炎患者の30%で気管支喘息(以下、喘息)を合併し、喘息患者における鼻炎の合併率は80~90%とされます。

両疾患は相互に深く関連し、鼻炎症状がなくても鼻粘膜に好酸球(=鼻炎の存在)が、逆に喘息症状がなくても気管・気管支に好酸球が認められる(=喘息の存在)ことが明らかになってきました。さらには鼻炎のある喘息患者では、鼻炎のない場合に比べて喘息のコントロール状態が良くないことが報告されています。従って、花粉症を始め鼻炎の治療をきちんと行うことで喘息をより良く管理できる様になります。

今後に期待される喘息の治療法として、減感作療法の一つである舌下免疫療法があります。その有効性と安全性が確立されれば、小児のアレルギー性鼻炎合併気管支喘息患者では特に期待されるところです。

さらに、子供が喘息を発症しないための予防法としては、「生後6か月までの完全母乳栄養」と「妊婦と乳幼児を持つ保護者(同居人を含む)の禁煙」が推奨されています。