「週1回の皮下注射でやせられるGLP-1受容体作動薬」セマグルチドが、令和5年11月より保険で使用可能となりました。当初、オンライン診療などで自費購入し、不用意な使い方により急性膵炎などの致死的な副作用も報告されました。今回この点を踏まえて以下3つの厳格な使用条件が提示されました。①対象は「体格指数(BMI)35以上で高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいづれか一つの疾患がある」か、「BMI27以上で上記疾患いづれか一つに加えて脳梗塞、冠動脈疾患、睡眠時無呼吸症候群等のいづれかを合併している」。①高血圧、脂質異常症、2型糖尿病の薬物療法をした上で、適切な食事・運動療法を既に6カ月以上実施していること。同薬を開始後も2カ月に1回以上の栄養指導を継続していること。③同薬を処方できる医療機関の条件は、管理栄養士ならびに日本循環器学会・糖尿病学会・内分泌学会の何れかの教育研修施設(研修医を指導出来る医療機関)で上記学会の専門医が常勤であること。

 投与期間は最大68週間に制限されています。投与中止により急激な肝機能の悪化や持病の悪化が危惧されるため、医師による使用継続・中止の判断が必要です。