日本における麻疹(はしか)患者の発生数は近年、予防接種の普及に伴い大幅に減少しましたが、平成19年の4~6月に成人麻疹の流行が発生し、休校、学年閉鎖や学級閉鎖等の社会的混乱が生じました。

一方では、WHO加盟の南北米地域や韓国等、麻疹排除に成功した地域もあり、日本の対策の遅れが指摘されています。

今回、厚労省が策定した「麻疹排除計画案」の概要は次の通りです。
●麻疹ワクチンを1回しか接種していない世代が十分な免疫を獲得するよう、中学1年生と高校3年生を対象に5年間、「補足的接種」を定期接種として行う。同時に風疹(三日はしか)対策を行うため、原則、麻疹風疹混合ワクチンを使用する。
●発生状況を正確に把握するため、麻疹を臨床診断した医師は、24時間以内を目標に保健所に報告する。
●国に麻疹対策委員会を設置する。
●校医など学校関係者が、各学校の入学時や定期健康診断の際に、生徒の罹患歴と予防接種歴を確認し、予防接種を受ける必要のある者には、接種の指導と指導後の結果の確認を行うよう、厚労省から文部科学省に依頼する。

厚労省は、平成20年度から計画を実施できるように関係政省令を改正する方針です。