2024年05月27日
喫煙と歯周病 (H12.12)
歯周病は歯の周囲組織の歯肉炎や歯周炎をいいます。悪化すると歯槽骨が破壊されて腫れたり、歯が抜けたり、口臭の原因になります。対策は食べかすなどが原因で歯の表面にできるプラーク(細菌とその産物)の除去です。危険因子として糖尿病・ストレス・骨粗しょう症などがありますが、最近は喫煙も重要視されてきました。
歯の表面につくヤニ(タール)はプラークをつきやすくします。
たばこに含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質は、ビタミンCを破壊し、歯周囲の血流の低下と酸素不足を招き、白血球の力も低下させ細菌への抵抗力を弱くさせます。次いで組織の活性化や害毒物質の排除が妨げられ、歯を保護する機能がなくなり、やがて早く歯が抜けることになります。歯周病が原因で歯を失う人は40歳代で40%ほどと言われます。
その他、喫煙で皮膚や粘膜にメラニン色素が沈着して、歯ぐきの黒変や着色が生じやすくなります。両親が喫煙者の場合、受動(間接)喫煙で子どもの歯ぐきも変色する割合はかなり増えます。歯肉がんや舌がんの危険性も高まります。
このように喫煙は口の中でもきわめて有害なのです。