動脈硬化予防に海産物を (H13.10)
世界中で魚食が見直されています。エスキーモー人は海産物を主食としているため、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞はかなり少ないようです。血液中の総コレステロールを低く保ち、これら病気を予防するエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキエン酸(DHA)、αーリノレン酸を多く含む海産物を摂っているからです。これら3種は人間の体内で作られません。植物油などαーリノレン酸を含む食品(しそ油、菜種油など)を摂ると体内でEPAにかわり、さらにDHAになります。両者とも魚の脂肪に多く含まれる成分です。
EPA には血小板の凝集を抑え、血栓を溶かし、血管を拡張する作用があります。また血中の総コレステロールや中性脂肪を減らし、血液が滑らかに流れるようにします。
DHAは脳や神経の発育や機能の維持に重要な役割を果たします。ネズミでの迷路を使った実験では、イワシ油を食べた群の方が早く出口にたどりつきます。このため、赤ちゃんがDHAを摂ることは非常に大切で、魚をよく食べる母親からの母乳にはDHAが多く含まれます。また、老人性痴呆にも効果が期待されます。
これらは脂ののった魚に多く含まれております。寒流にすむ背の青い魚のイワシ、サバ、マグロが代表ですが、そのほかハマチ、ブリ、マダイ、スジコ(イクラ)、ウナギなども該当します。マグロの目の脂肪にはDHAが特に多く含まれております。脂肪を外に逃がさない刺身が最良です。
EPAの効果として、脳卒中の予防、動脈硬化・高血圧・心筋梗塞・高脂血症・アレルギー症状の予防と改善、がんの発がん・増殖・転移の予防などがあげられます。
DHAでは脳卒中・動脈硬化・痴呆症・血栓、狭心症・心筋梗塞の予防、高血圧・慢性皮膚炎・慢性炎症性大腸疾患の予防と改善などです。
次の人にお勧めです。血圧・コレステロール・中性脂肪などが高めの人、アトピー性皮膚炎などアレルギー症状のある人、炎症性疾患のある人、肉や加工品を多く食べる人、痴呆症を予防したい人、がんを予防したい人など。