厚生労働省研究班(上島弘嗣滋賀医大教授)が、30歳以上の男女約1万人を対象とした追跡調査を基に、喫煙が及ぼす悪影響を平均余命で示しました。

推計の根拠としたのは、昭和55年に全国300ヶ所の保健所で健康診断を受けた30歳以上の男性4237人、女性5388人への追跡調査です。このうち平成11年までに死亡した約2千人の喫煙歴や、年齢別の死亡率などを基に全調査対象者の平均余命を算出しました。

男性の喫煙率は約63%で、喫煙者の40歳の平均余命は38.6年。以前喫煙していた人の平均余命は40.4年で1.8年長く、非喫煙者の平均余命は42.1年で3.5年長い結果でした。

男性喫煙者のうち1日の本数が「1箱未満」の40歳の平均余命は39年、1～2箱は38.8年、2箱以上は38.1年と、本数が多いほど余命が短くなる傾向でした。

女性の喫煙率は約9%で、喫煙者の40歳の平均余命は43.4年、非喫煙者は45.6年と、2.2年の差がありました。

研究班では「男性の場合、喫煙が平均余命に影響していることは明らかといえる。女性も同様な傾向がみられたが、調査開始時点での喫煙率が低く明言はできない」としています。