2024年05月27日
飛蚊症(ひぶんしょう)
皆さんは、黒い点や虫のようなもの、または薄い雲や煙のようなものが見えることはないでしょうか? そのような症状を飛蚊症と呼びます。
眼球の中には硝子体(しょうしたい)という卵の白身に似たゼリー状の液体が詰まっています。この中の繊維の塊(濁り)が眼球を動かすたびに眼の中で動き、その影が同じ方向に細かく動くため、さながら目の前を蚊が飛んでいるように感じるのです。
ほとんどの場合は、加齢や近視による、特に治療が必要でない「生理的」変化によるもので心配いりませんが、中には治療をしないと視力が損なわれる網膜剥離など重篤な疾患の前触れであることもありますから注意が必要です。特に、網膜に穴が開いてしまう網膜裂孔や網膜が剥がれてしまう網膜剥離では、しばしば初発症状として飛蚊症を自覚し、眼科受診された結果、病気が見つかったということがあります。
このような重篤な病気だとしても、今は優れた治療法があるので悲観することはありませんが、早めに治療したほうが予後が良いことは言うまでもありません。飛蚊症を自覚したら、一度眼科専門医を受診することをお勧めいたします。