2024年05月25日
レジオネラ症(在郷軍人病 ざいごう ぐんじん びょう)
レジオネラ症とは、レジオネラ菌の吸引による急性細菌性感染症で、多くは肺炎をおこします。1976年米国フィラデルフィアでの在郷軍人会で大流行した肺炎の原因菌であったことから、在郷軍人(ザ・レジオン)病と呼ばれるようになりました。
レジオネラ菌は広く自然界に分布し、河川や土壌などに存在しますが、実際にはクーラーの冷却水、温泉水、循環式浴槽水、給湯水などに侵入し、このエアロゾルを吸入することにより肺炎をおこします。
欧米とは異なり温泉水を飲用する習慣のない我国では、温泉での感染はないと考えられていました。しかし1991年愛知県の温泉でレジオネラ肺炎が確認され、その後全国の温泉や温浴施設、家庭の24時間風呂などでの感染が知られるようになりました。最近では広島県の日帰り温浴施設で40人の集団感染があり、1人が死亡しています
この菌は細胞内に寄生するため、一般に繁用されている抗生物質は無効ですが、マクロライド系抗生剤は有効です。日本人の大好きな温泉ですが、温泉で感染する肺炎のあることも知っておくとよいでしょう。