月経前のすっきりしないつらさを訴える女性は多いものです。それを月経前症候群と呼びます。症状としては、月経の10日前くらいからの、頭痛、腰痛、下腹部痛、むくみ、便秘などの身体症状や、イライラ、怒りっぽくなる、うつ状態、無気力、集中力低下のような精神症状があげられます。月経が始まると数日で症状がなくなるのが特徴で、月経周期のたびに繰り返されるケースが多いようです。

原因としては、排卵の後、卵巣から分泌される黄体ホルモンの作用と理解されていますが、ほかにも、脳の中のセロトニンと呼ばれる神経刺激の伝達物質の減少、ビタミンB6の低下の影響もあります。

治療には、薬物療法と、生活指導があげられます。薬物療法には、鎮痛剤、抗不安剤、安定剤、利尿剤、漢方薬、ピル(経口避妊薬)、抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)があります。生活指導では、バランスのよい食生活に気を配り、ビタミン、ミネラルを豊富に摂り、偏った食事にならないように注意します。運動療法では、ジョギング、ウオーキング、水泳、あるいは下肢の屈伸運動などによって骨盤内のスムーズな血流を促し、各種症状の解消に努めるとよいでしょう。

月経前のつらい症状を抱えているなら、ひとりで悩まずに相談に行ってみてください。