白血病などの治癒を目指す治療として、造血幹細胞移植が行われています。血液を作る元の細胞である造血幹細胞を採取して、患者さんに移植するという治療です。

造血幹細胞移植は幹細胞をどこから採取するかによって、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植の3種類に分類されます。状態の落ち着いた白血病の患者さんでは、移植をすることによって70%前後の治癒が期待されます。

この治療が始まったころは、ドナー(提供者)はHLA型(白血球の型)一致の兄弟が選択されていました。兄弟ではHLA型が一致する確率は4人に1人と低いことから、日本では1991年に公的骨髄バンクが設立されました。1993年に骨髄バンクを介した第1例目の非血縁者間骨髄移植が行われ、現在に至っています。

2018年4月現在のドナー登録者数484,912名、移植希望患者登録数3,762名です。全国で年間1,200から1,300例の移植が行われています。

患者登録をすると90%以上の確率でHLA型一致のドナー候補者が見つかりますが、移植に至るまでに諸事情により中止になることも多いのが現状です。患者さんが1人でも多く移植が受けられるように、今後もドナー登録を推進していく必要があります。