鼻は吸った空気を加温・加湿する働きを持ち、血管の多い粘膜に覆われています。鼻出血の大部分は鼻の左右の間仕切り(鼻中隔)の前方の部分(キーセルバッハ部)から出ます。この部位は比較的鼻の穴から近いところにあり血管が網目状に多く集まり表面に浮き出ているため出血しやすく、鼻出血の約90%を占めています。

治療として最も簡単で効果的な方法は、出血している場所を押さえて止める圧迫止血法です。たいていの出血はこの方法で止まります。キーセルバッハ部位からの出血が多いので、小鼻全体を親指と人差し指で約10分間強くつまむか、テッシュペーパーを細長くして鼻に差し込み小鼻から真横に押さえて下さい。

止血の際は座った姿勢で少し前かがみになります。このような処置をしても出血が止まらない場合は、高血圧で高齢の方などは鼻の奥からの出血であったり、白血病や重症肝疾患などの全身疾患が隠れている可能性もあります。

鼻出血の診断は、「どのような原因で、どこからの出血か」を、まず見極める必要性があります。耳鼻咽喉科専門医での診察、治療をお勧めします。